【WB工法】気になる疑問を見学会で寺島社長と広報の方に聞いた話

WB工法

職人社長(平松建築)さんのYouTubeでWB工法を知って「これだ!」と思ったのに、いざ検索すると、今度はアンチコメントや「デメリット解説」の動画が目に入ってきて、夜な夜な不安になる……。

理屈の解説はたくさんあるのに、「実際どうなの?」に答えてくれる生の声が少なかったんです。

そんなとき、我が家がお願いしている工務店の完成見学会に、はるばる長野県から(株)ウッドビルドの寺島社長と広報の方がいらしていました。

せっかくの機会なので、家づくり中の私たち夫婦が実際に気になっていたことを、そのまま質問してみました。

この記事では、WB工法の「気密」「湿気」「健康」「地震・水害」「虫」「PM2.5」など、私たちが不安に感じていたことを、寺島社長と広報の方に直接聞いた内容をまとめています。

※この記事は、私たちが見学会で聞いた内容と、公開されている資料をもとに、建築の専門家ではない施主の目線でまとめています。WB工法の採用を推奨するものではなく、家づくり中の方が検討する際の参考になればと思っています。

私たちが通気断熱WB工法を選んだ理由はこちら↓

登場人物

  1. ① WB工法とは?|「昔の日本の家」の知恵を現代版にした工法
  2. ② WB工法はどうやって生まれた?|大工の父が実験棟でつかんだこと
    1. 社長さん自身が「高気密シートを貼る側」だった
    2. 3年で床がきしみ、倒産する工務店が出はじめた
    3. 夜9時から朝3時まで実験。タバコの煙が「壁の中の空気の流れ」を教えてくれた
    4. 会長さんが「ビニールクロス嫌い」だった理由
  3. ③ WB工法はなぜ湿気がこもりにくい?|壁の中の仕組みを聞いてみた
    1. 内装材だけでなく、壁の中の構成も重要
    2. 「壁を通して湿気が抜ける」ってどういうこと?
    3. ビニールクロスをやめるだけで、湿気の通り道は変わる?
    4. 我が家は塗り壁を多くの場所に採用。WB工法との相性は?
  4. ④ WB工法の「通気」は1年中同じ?|夏と冬の仕組みを聞いてみた
    1. 湿気は「濃い方から薄い方」へ動く
    2. 春・夏・秋は「通気」を使う
    3. 冬は通気を抑えて保温する
    4. 溜めた湿気を暖かい季節に外へ出す
    5. WB工法で化学物質はどうなる?|公式に公開されている実験データも確認
  5. ⑤ WB工法は地震や水害にどう備える?|「家を長く乾かす」という考え方
    1. 水害の「復旧のしやすさ」
  6. ⑥ WB工法と高気密・高断熱住宅は何が違う?|C値について聞いてみた
  7. ⑦ WB工法のデメリットは?|気になった疑問を寺島社長に直接聞いてみた
    1. 外の空気を取り込むけど、PM2.5や排気ガスは大丈夫?
    2. 通気口から虫は入ってこない?
    3. WB工法は気密が低い?「C値は大丈夫?」
    4. 「すき間から上昇気流なんて起きない」は本当?
    5. 社長さん自身が認めた「抜けにくい条件」
    6. 根拠は「屋根の現場での実感」
    7. 私たちの受け止め
  8. ⑧ 28年後のWB工法の家を開けたら?|壁の中を実際に見た話
  9. ⑨ 話を聞いて感じたこと|これから家づくりする方へ
    1. 「いい家を建てたければ、工務店をとことん信用すること」
    2. 夫のスタンス「いろんな人の意見を集める」
    3. 結局は「通気と透湿」
  10. まとめ|WB工法について、私たちが見学会で聞いたこと

① WB工法とは?|「昔の日本の家」の知恵を現代版にした工法

まず、WB工法の詳しい解説はウッドビルドさんの会社HPへ!https://www.wb-house.jp/wb

社長さんの話でなるほどと思ったのが、「昔の日本の家は、実はよくできていた」という視点です。

昔の家は、柱がむき出しで、土壁も年月で痩せて、すき間だらけ。冬は寒かったけれど、その風通しの良さが、高温多湿の日本ではむしろ大事だった、と。

日本の木造建築の伝統は、法隆寺に代表されるように1300年以上続いている。それが戦後、焼け野原から家を大量に普及させる流れで「質より量」に傾き、軽量鉄骨・合板・ビニールクロス・グラスウールが主流に。35年ほど前、北海道発の高気密・高断熱が広まって、通気と透湿を止める方向へ一気に拍車がかかった——というのが社長さんの見立てでした。

社長
社長

“気密、気密”という言葉が先行しすぎました。日本の家づくりは本来、湿気をこもらせない方向に戻していかないといけない。

「通気断熱WB工法」は最新の発明というより、こうした昔の家の知恵(通気)を、断熱と両立できる形で現代版にしたもの——という説明が、いちばん腑に落ちました。

② WB工法はどうやって生まれた?|大工の父が実験棟でつかんだこと

「通気断熱WB工法」は、長野県の工務店(ウッドビルド)で生まれました。開発したのは、今の社長さんのお父さん=先代の会長さんです。見学会では、その誕生の経緯もかなり詳しく聞けました。

社長さん自身が「高気密シートを貼る側」だった

社長さんは23歳で大工になり、いまは53歳。ちょうど30年前、高気密ブームの走りのころに大工になったそうです。ウッドビルドに入る前の前職では、下請けとして自分の手で気密シートを貼っていたそうです。

  • 設計事務所や元請けから「施主が高気密・高断熱を希望している。国の高気密マニュアル通りに施工する」と言われて始まった
  • 柱を幅の広いビニールシートで覆ってタッカーで留め、グラスウールを入れ、石膏ボードを貼る前にまたビニールシート
  • 当時経験した現場では、貼っているそばからシートの内側が結露してくる。先輩の大工たちは「こんなことして大丈夫か」と言いながら貼っていた
社長
社長

大工がビニールを貼るなんて、いま思えばおかしな話です。でも当時は“北海道から来た施工方法で、これで暖かくなる。”と言われて、その通りにやるしかなかった。

3年で床がきしみ、倒産する工務店が出はじめた

そうやって建てた家は、入居して3年ほどで床がきしみ始め、長野では倒産する工務店も出はじめたそうです。

それを見ていた会長さん(社長さんのお父さん)は、こう考えました。「施主にどれだけ“暖かい家を”と言われても、このやり方をそのまま続けたら、いずれ倒産する」。かといって、昔ながらの在来工法では「寒い」と言われて営業にならない。北海道式の高気密にも乗れない、在来のままでも売れない——自分でこの問題を解決しないと商売が続けられない、というところまで追い込まれて、実験棟を建てました。

夜9時から朝3時まで実験。タバコの煙が「壁の中の空気の流れ」を教えてくれた

会長さんは大工の親方で、夜9時ごろになると「ちょっと出かけてくる」と工場の実験棟へ通っていたそうです。帰ってくるのは朝方3時ごろ。当時まだ修行中だった社長さんは、父が何をしているのか分からなかったといいます。

実験棟の壁の中には、ガラスのフタ付きで温度計を仕込み、室内から見えるようにしてありました。ところが、部屋を20度にあたためても、壁の中の温度がまったく上がってこない。おかしいな、という日が何日も続いた。

転機は、くわえタバコで作業していたある日。壁のガラスのフタをポコッと開けたら、タバコの煙が壁の中に吸い込まれていった。床下と小屋裏に潜って煙を追いかけると——暖房で部屋が20度になると壁が温まり、壁の裏側に上昇気流が生まれる。床下の換気口から入った空気が、床の下地のすき間から壁の中を通って、小屋裏へ抜けていた。暖房の熱が、壁の中にとどまらず上へ逃げていた。これが「在来工法は寒い」の正体だった、と。逆に、その空気の流れを止めてしまうと、今度はカビる・湿る。

社長
社長

在来工法の“冬の弱点(寒さ)”を、その通気の流れをコントロールして補ってやったらどうか。そこから生まれたのが「通気断熱WB工法」です。

会長さんが「ビニールクロス嫌い」だった理由

もうひとつ、湿気の問題がありました。室内でタオルを干す実験をすると、ビニールクロスの部屋は湿度が上がってダメ。コットン(土壁に近い)のクロスの部屋は、壁が調湿して抑えてくれる。

会長さんがビニールクロスを避けるようになった原体験は、麻雀だったそうです。ビニールクロスを貼った新築の家で麻雀をすると、あぐらをかいた太ももが床にペタペタ張りつく。ところが和室(土壁)だとサラサラ。汗かきだった会長さんは、ビニールクロスが世に出はじめたころから「できるだけ避けたほうがいい」と言い続けていた、と。

「通気の流れをコントロールする」ことと「汗を抜く壁」。この2つが会長さんの長い大工経験の中で結びついて、「通気断熱WB(ダブルブレス)工法」になりました。

③ WB工法はなぜ湿気がこもりにくい?|壁の中の仕組みを聞いてみた

我が家が家づくりで大事にしたのは「家の中の空気環境」でした。夫が薬剤師ということもあり、建材や換気、湿気など、家の中の環境について以前から気になっていました。

社長さんも、ご自身の体験を話してくれました。

社長
社長

うちの奥さんが強烈なアトピー体質で。学生時代、新築のアパートに入るたびに悪化して、実家に帰ると引いていく、の繰り返しだったんです。それがWB工法の家に住んで28年、一度も出ていません。

もちろん「家だけが原因」と言い切れるものではない、と社長さんも繰り返し話していました。ただ、印象的だったのは、

ずっとお米で生きてきた日本人が、急に肉やパンを与えられて体がびっくりする。家も同じで、何百年も土壁や自然素材に囲まれてきたのに、この30年で一気にビニールに囲まれるようになった。その反動が出ていてもおかしくない。

という、社長さんの食生活の変化にたとえた説明です。

ただし、これはあくまで一人の方の体験談です。WB工法によってアトピーが改善した、あるいは予防できると判断できる話ではありません。

内装材だけでなく、壁の中の構成も重要

私がハッとしたのが、この話です。壁紙をビニールクロスにするかどうか——施主が気にするのはたいていそこですが、実はその手前の「壁の中の作り」で結果が決まる、と。

社長
社長

施主さんがビニールクロスを選んでいなくても、高気密の施工で壁の中に気密シートを貼られると、湿気の逃げ道がなくなる。内側にも外側にも“止める層”が重なると、壁の中は結露しやすくなります。

社長さん自身、WB工法に出会う前は高気密の現場で気密シートを貼っていた大工さんでした(→②章)。その経験からいえるのは、内装の壁紙より前に、壁の中に“湿気を止めるライン”が重なっていないかのほうが大事、ということでした。

(★補足として:断熱材の室内側に気密・防湿のラインを作ること自体は、今は標準的なやり方だそうです。高気密住宅では、室内側の防湿層と外側の防湿性の高い材料が重なると、壁の中の湿気が乾きにくくなる場合がある。なので、壁の構成を考えずに気密・防湿シートを重ねるのはよくないのかなと思いました。問題になりやすいのは「止める層が内外で重なる」「乾く逃げ道がない」「施工が雑」といった条件がそろったとき、という理解で書いています。)

大事なのは「壁紙の種類」より前に、壁の中に“湿気を止めるライン”を作らないこと。壁紙で自然素材を選んでいても、壁の中の逃げ道がなければ結露しやすい家になりうる——WB工法はそこを設計思想にしている、という話でした。

「壁を通して湿気が抜ける」ってどういうこと?

私
私

壁って動かないのに、そこを湿気が抜けるってどういうことですか?

と聞いたら、こんな説明でした。

  • 湿気や化学物質は、濃い方から薄い方へ動こうとする
  • 室内は、人の生活(呼吸・汗)や建材の防虫剤・防腐剤で濃度が高くなりがち。外気はそういう物質がほぼない“新鮮な空気”
  • だから室内の湿気は、壁を通って外へ抜けていこうとする。石膏ボードや透湿する材料はその通り道になるけれど、ビニールはそこをふさいでしまう
  • WB工法は、内側(石膏ボード)も外側(構造の面材)も“湿気を通す材料”でそろえる考え方。社長さんいわく「外側にぐるっと合板を張ってしまうと、そこで水蒸気が止まって結露しやすくなる」
社長
社長

服のゴアテックスと同じです。外からの雨は弾くけれど、内側の汗(水蒸気)は外に逃がす。安いビニールのカッパを着るとベタベタするでしょう。あれをやめよう、という話です。

(★実際の家は外部の通気層や防湿の設計次第だと思います。「合板=必ず結露」ではなく「どこにも“止める層”を作らないのがWBの考え方」ということかと理解しました。)

ビニールクロスをやめるだけで、湿気の通り道は変わる?

印象的だったのは、社長さんが「WB工法じゃなくてもいい」と話していたことです。

社長
社長

WB工法じゃなくてもいいですよ。ビニールクロスさえなくなれば、日本の住宅はもっとよくなる。壁の中の気密シートを“湿気を逃がすシート”に変えるだけでも、日本の建築は変わりますよ。

夫
夫

WB工法じゃなくても、内も外も漆喰みたいにすれば近づきますか?

答えは「近づく」でした。土壁や自然素材は湿気を通す(透湿する)ので、抜けていく作用は働く、と。

自社の工法を売り込むより先に「まずビニールをやめること」と言われたこと——ここでも信用できると感じました。

そのうえで社長さんの結論は、「透湿する材料で覆うだけでは足りない」。空気が動かないことの弊害もあるから、”壁の中で空気が動く仕組み”と”汗を流す材料”の両方がセットで理想だ、と。断熱も、土壁だけだとどうしても弱い。透湿する材料で両側をサンドイッチして、間に断熱材を入れる——それを現代版にしたのが「通気断熱WB工法」という説明でした。

我が家は塗り壁を多くの場所に採用。WB工法との相性は?

我が家はビニールクロスを使わず、収納の場所以外のほとんどは塗り壁にしています。

夫
夫

WB工法で湿気は抜けていくのに、調湿する塗り壁って“やりすぎ”になりませんか?

社長
社長

全然、むしろ最高です。冬は通気を絞るぶん、壁が水分をためてくれる。塗り壁はその“ためる量”を増やしてくれるので、相性はとてもいいです。

「調湿する塗り壁」と「通気するWB工法」は、ケンカせず相乗効果になる。ここは安心材料でした。

④ WB工法の「通気」は1年中同じ?|夏と冬の仕組みを聞いてみた

やりとりの中で一番イメージしやすかったのが、壁が1年かけて湿気を出し入れしている、という話です。この仕組み、あとから広報の方が詳しく教えてくれました。

湿気は「濃い方から薄い方」へ動く

まず大原則。湿気は、湿度が高いほうから低いほうへ動きます。 壁の中の通気層(空気の通り道)は、もともと湿度が低い場所となるそうです。

春・夏・秋は「通気」を使う

 外の湿度が高いとき(雨の日など)→ 外の湿気が壁の中に入り込み、通気層の上昇気流に乗って外へ抜けていく
 室内の湿度が高いとき(室内干し・入浴など)→ 室内側の湿気が壁の中に入り、同じように通気層の上昇気流に乗って外へ抜けていく
つまり、外と中のどちらが湿っていても、より乾いている壁の中(通気層)に向かって湿気が動く、という仕組みです。

冬は通気を抑えて保温する

 冬:通気層の蓋が閉まり、通気層そのものが“保温層”に変わります。魔法瓶や、真空層のある水筒と同じような仕組みだそうです
 では冬、行き場を失った湿気はどこへ行くのか——石膏ボード・塗り壁材・木材(構造躯体)が吸ってくれます。珪藻土の塗り壁は、その“吸える量”をさらに増やしてくれる
 イメージは、風呂上がりの足の水をキュッと吸う珪藻土バスマット。あれが何百枚も壁に貼られている状態、と社長さんは言っていました

溜めた湿気を暖かい季節に外へ出す

 春〜夏〜秋:蓋がまた開いて、冬に吸い込んだ水蒸気を通気層の上昇気流に乗せて外へ排出。壁はまたカラカラに戻ります
 乾いた状態で次の冬を迎えるから、また吸える。この繰り返しが、室内の環境も、家の木材も守ってくれる

社長
社長

冬にためて、春から夏でリセット。乾いているからこそ、また吸ってくれる。その繰り返しです。

WB工法で化学物質はどうなる?|公式に公開されている実験データも確認

これは広報の方から教えてもらって「なるほど」となった話です。

広報の方
広報の方

化学物質は水に溶けやすい性質(水溶性)なので、湿気にくっついて存在しています。だから湿気を外へ抜けば、化学物質もいっしょに抜けていきます。これは大学の研究室で実証されていますよ。

少し前の 「壁を通して湿気が抜けるって、どういうこと?」で書いた「湿気や化学物質は濃い方から薄い方へ動く」という話は、実は“化学物質が湿気にくっついて存在している”という性質が土台にあった、ということのようです。

通気断熱WB工法の公式サイトには、実験データのページ(wb-house.jp/wb/exp_data)があり、同じ規模の住宅 2 棟にホルムアルデヒドを充満させて、時間とともに濃度がどう下がるかを比べた実験などが公開されています。機械換気を使わない条件で、国の基準(0.08ppm)を下回るところまで下がった、とのことです。

除湿機まかせではなく、壁そのものが季節に合わせて湿気(と、くっついている化学物質)を出し入れしてくれる。ここは塗り壁にしてよかったと思えた部分です。

⑤ WB工法は地震や水害にどう備える?|「家を長く乾かす」という考え方

我が家は熊本地震を経験しているので、耐震はゆずれないポイントです。制震ダンパー(EQ GUARD)を入れて、平屋で建築をお願いしています。

夫
夫

WB工法そのものの「地震対策」って何ですか?

社長
社長

最初にしっかり地震対策した躯体の“健康”を、通気を取ることで長く維持する。それがWB工法の地震対策です。

新築時にどれだけ筋交いを入れてダンパーを入れても、20~30年後に壁の中で結露が起きて、柱のホゾ(接合部)が腐って…となったら、いざというとき抜けてしまう。壁の中を乾いた状態に保つことが、将来の地震への備えになる、という考え方です。

我が家が「制震ダンパーEQ GUARD」を選んだ理由についての記事はこちら↓

水害の「復旧のしやすさ」

社長さんが実際に経験した話として、令和元年東日本台風による大雨の影響を受けて、千曲川流域で護岸の崩落や堤防の欠損・越水などによる浸水被害で床上浸水した団地の事例を教えてくれました。1m50cmまで水に浸かったそうです。

社長さんが建てたWB工法の家は、その団地の中で一番早く復旧したそうです。

  • 水を抜いて、泥を出して、床を乾かして、床を閉じて畳を戻す——それで完了
  • 通気層があるので、水が引いたあと壁の中まで乾かせる。カビも出なかった(外壁の漆喰にも出なかった)
  • 断熱材が発泡系(ネオマフォーム)で、濡れても乾けば支障がない
  • 一方、周りの家はグラスウールの断熱材。濡れると乾きにくく、1階の壁を全部はがして総取り替え。復旧に1年がかり
社長
社長

床下・床上まで水がついても、通気層をちゃんと持っている家は、復旧しやすいです。

「浸水しても平気」という話ではありません。でも“濡れても乾かせる家”かどうかで、被災後の戻り方が全然違うのだと理解しました。

⑥ WB工法と高気密・高断熱住宅は何が違う?|C値について聞いてみた

夫が家づくりの最初に一通り調べた実感として、大手ハウスメーカーは“数値”を売りにしていると感じたようです。

夫
夫

大手(特に有名な2社)はC値・UA値の細かさや、全館空調の性能で競い合っているようですがこれに対して社長さんが思うところはありますか?

社長さんの受け止めは、こんな感じでした。

  • C値は単純に「家全体の穴の面積」だけではなく、床面積あたりの相当隙間面積なので、40坪の家の場合、C値0.5と1.0の差を約8×8cm程度の開口面積の差であること
  • 数値差を過度に追求することには疑問を持っている
  • 大手が“空気の質”をどう解決しているかというと、基本は24時間換気・全館空調(機械)に頼ることによる
  • ただ全館空調は、数年でダクト内部のメンテナンスやカビの問題が出てくることを懸念
社長
社長

大手さんは“全館空調”と言いますけど、本当の全館空調はこっち(=家そのものが呼吸している状態)ですよ、と私はいつも思っています。

C値0.5と1.0の差をこのように考えると見え方が変わってくるな、と思いました。

⑦ WB工法のデメリットは?|気になった疑問を寺島社長に直接聞いてみた

一番聞きたかったところです。調べていて不安になった論点を、そのまま聞いてみました。

外の空気を取り込むけど、PM2.5や排気ガスは大丈夫?

私
私

排気ガスやPM2.5が漂っている外の空気を取り込むことについてはどう思われますか?

これは、ある住宅展示場で夫がWB工法の話をしたときに営業の方からポロッと言われて、ずっと引っかかっていた点でした。「壁の中に外の空気を通す=汚れた空気を入れる、ということでは?」という指摘です。

社長さんの答えは、「室内の空気のほうが、よっぽど悪い」でした。

  • 人が呼吸するだけで二酸化炭素が出るし、汗・体臭、建材からの化学物質も室内にこもる
  • ほこりや二酸化炭素などの“重いもの”は、最終的に床のあたりにたまる。それを通気(床下の換気部材)でゆるやかに外へ出す。機械で強制的に回しているわけではない
  • 「外の空気が悪い」と言えるのは、幹線道路沿いで24時間ずっと交通量が多い、というような場所。そうでなければ、入れ替えないほうがむしろ危ない。
社長
社長

完全に外の空気と切り離された空間のほうが、人間には不自然です。人は生身の動物ですから。

WB工法は外の空気を利用するのは事実です。それを「弱点」ではなく「あっていいもの」と考えている、という説明でした。なお、PM2.5や排気ガスへの影響は、住宅の立地や外気の状態によっても変わります。今回の話は、寺島社長から聞いたWB工法の考え方として紹介しています。住んでみて室内の空気感などお伝えできればと思います。

通気口から虫は入ってこない?

私
私

床下の換気部材から虫は入ってきませんか?

これも聞きました。

社長
社長

網は付いていますが、その網より小さい虫は多少は入ります。でも虫は“居心地の悪いところ”が好きなんです。カビっぽい家には寄ってくるけれど、WB工法は虫にとって居心地が悪いので、通りすがりはあっても住みつかないと考えています。

そして、ゴキブリが家に出る主なルートは、外の換気口ではなく排水まわりだそうです。排水まわりを特に気をつけようと思いました。

WB工法は気密が低い?「C値は大丈夫?」

職人社長(平松建設)さんのYouTubeを見ていると、「気密は?」というコメントがたくさんつきます。私もそこで不安になったので、聞いてみました。

私
私

WB工法は、気密は大丈夫ですか?

社長さんの説明はこうでした。

  • 大手ハウスメーカーがつくる家は、ほぼ「高気密・高断熱」という考え方が前提。その物差しで見ると、そこを前面に出していないWB工法は「気密は大丈夫?」と突っ込まれやすい
  • 「通気」や「透湿」は、高気密・高断熱の“定義”とは一部相反するところがあるので、話がすれ違うことがある
  • ただ、WB工法も普通に作れば気密は取れている、と。いまの家づくりは、土台から桁まで一枚でつなげられる面材(湿気を通し、地震にも強いもの)を細かい釘ピッチで張るので、昔の家に比べてすき間はほとんどない。床組みも根太を使わず土台に厚い合板を直接置くので、床下からの空気の入りも少ない
社長
社長

WB工法かどうかに関係なく、いまの日本の家は技術が進化して、普通に作ればすき間は少ない。“通気で断熱する”のは、その気密の上に、湿気と熱をコントロールする層を足す、という考え方です。

大手がこの「通気・透湿」を標準にしていない理由については、社長さんは「コストが上がること」「50年かけて量産モデルを最適化してきた歴史があること」を挙げていました。どちらが正しいというより、つくり方の考え方が違う、という受け止めでいます。

「すき間から上昇気流なんて起きない」は本当?

私
私

WB工法のデメリットの動画を見漁っていて、「すき間から上昇気流なんて起きない」と言われている方がいました。これはどう思われますか?

家づくり中にひっかかっていたのが、ある方のYouTubeで見た指摘でした。「WB工法は“暖かい空気は上に上がる”と説明するけれど、壁の中のわずかなすき間で、そんな上昇気流は起きないのでは? 上のほうで空気がちょっと回っているだけなんじゃないか。」というものです。ここは不安だったので、社長さんに正直にぶつけました。

社長さん自身が認めた「抜けにくい条件」

社長
社長

小屋裏(屋根裏の空間)の温度と外の気温が近いときは、たしかに抜けにくいです。実際にね。

そのうえで、こう続きました。

  • 真夏、小屋裏がすごく熱くなると中に圧力がかかって、狭いすき間からでも空気は押し出されるように抜けていく
  • 外の気温が少し下がると、内と外の温度差でよけいに抜ける
  • つまり「一年中ゴーゴー流れる」わけではなく、暑くて抜けてほしいときにちゃんと抜ける、という説明でした

根拠は「屋根の現場での実感」

社長さんがよりどころにしていたのは、計算式ではなく現場の経験でした。

換気口のない屋根に、あとから換気部材をつける工事がある。屋根の板金を切って、その下の防水シートをカッターで切った瞬間、こもっていた熱がふわーっと吹き出す。WB工法かどうかに関係なく、こもった熱は上に抜けようとする。屋根屋さんも「結構、熱いのが出てくるよ」と言われている。

WB工法の現場では、棟(屋根のてっぺん)の換気から夏の熱が抜けて、断熱材でワンクッション入るぶん垂木のあたりも涼しい。「WBの現場は夏でも涼しい」と職人さんたちが言う、という話でした。

私たちの受け止め

正直、私たち夫婦に物理の正解は判断できません。ただ、

  • 社長さんは「抜けにくい条件もある」と認められたうえで話していた
  • 根拠が「屋根の現場での体感」だった

この2点で、少し気持ちがラクになりました。この論点が気になる人は、批判(?疑問を呈)している側と説明している側の両方の動画を見て、最後は完成物件で自分の体で確かめるのがいいと思います。

⑧ 28年後のWB工法の家を開けたら?|壁の中を実際に見た話

この日、何度も出てきたのがこの話です。社長さんが今リフォーム中の物件は、28年前にWB工法で建てた家。断熱性能を上げるために壁を全部はがしたそうですが——

広報の方
広報の方

カビの匂いもないくらい、カラッカラです。床下も、味噌を仕込んで置いておけるくらい空気がきれい。その映像も撮ってあるので、また共有しますね!

床下の換気口についている部材(「バリアヘルス」。温度によって開いたり閉じたりする茶色い部品)も、28年経ってもちゃんと動いていたそうです。

我が家が一番ほしかったのは、まさにこういう「20年後・30年後どうなってるの?」の情報でした。新築の性能値より、時間が経ったあとの姿。

「10年後・20年後のユーザーの声」を集めたい——というのは、実は会社の方も同じ思いだそうです。 我が家も、住み始めたらこのブログで経過を発信していくつもりです。

⑨ 話を聞いて感じたこと|これから家づくりする方へ

最後に、印象に残ったことを。

「いい家を建てたければ、工務店をとことん信用すること」

これは、WB工法を開発した会長さんが、施主からの「いい家を建てる秘訣は?」という質問にいつも答えていた言葉だそうです。

建てるのも人間。最初から疑われて進む工事と、信用されて進む工事では、作り手の気合が全く違う。納得できたら、あとは工務店を信じること。

我が家もワガママをたくさん言っている自覚がありますが(笑)、プロがそれを技術で受け止めて、「それより こうしたほうがいい」と返してくれる——そういうパートナー関係でいいんだ、と改めて思いました。

夫のスタンス「いろんな人の意見を集める」

夫が家づくりで心がけたのは、「1人の意見を鵜呑みにせず、いろんな立場の人のメリット・デメリットを聞いて回ること」でした。建築系YouTuberも、1人だけでなく複数見て、共通して言っていることを拾う。地元の工務店を応援したい気持ちと、経営の安定をどう見極めるか、が大事だなと思っています。

結局は「通気と透湿」

1時間以上いろいろ聞いたあと、社長さんの話は結局ここに戻ってきました。

社長
社長

高温多湿の日本で、通気と透湿を止めたらえらいことになる。35年前からの高気密ブームで、それを学んだんです。もう一度、日本の家づくりの原点に戻す——それがこのWB工法の仕組みです。

原点(昔の日本の家)の弱点は「冬が寒い」こと。そこを、温度で通気層を開け閉めする金属部材(形状記憶)で補ったのが「通気断熱WB工法」。その部材は10万回のヒートサイクル試験をしていて、28年前の物件から外したものも、まだちゃんと動いていたそうです(→⑧章)。

「“通気と透湿”を信じていれば大丈夫。あとは、満足して住んでいる人の声を見てください」——最後にそう言われて、私たちも同じ気持ちになりました。 我が家も、住み始めたら声を上げていくつもりです。

まとめ|WB工法について、私たちが見学会で聞いたこと

今回、寺島社長と広報の方に直接話を聞いて、私たちが理解した「通気断熱WB工法」のポイントは、大きく5つでした。

  1. WB工法は「通気」と「透湿」を重視した家づくりの考え方
    昔の日本の住宅にあった通気の考え方を、現代の断熱と組み合わせるというのがWB工法の基本的な考え方だと説明されました。
  2. ビニールクロスだけでなく「壁の中の構成」が重要
    私たちは内装材ばかり気にしていましたが、今回の話を聞いて、壁の中で湿気をどう扱うかまで確認する必要があると感じました。
  3. 気密・虫・PM2.5・上昇気流についても、実際に質問してみた
    特に印象に残ったのは、WB工法にとって都合のいい話だけではなく、「抜けにくい条件もある」と説明されたこと。疑問に思ったことは、実際に作っている人に直接聞いてみる大切さを感じました。
  4. 28年経ったWB工法の家を実際に見た話が、一番参考になった
    新築時の性能だけではなく、「20年後、30年後に壁の中がどうなっているのか」を知りたいと思っていた私たちにとって、今回の話はとても興味深いものでした。ただし、28年経った一軒の住宅での話なので、すべてのWB工法住宅に当てはまるとは限りません。
  5. まだ分からないことは、これから自分たちで確かめていきたい
    我が家はこれから実際にWB工法の家で暮らし始めます。だからこそ、冬の室温や湿度、夏の暑さ、エアコンの使用状況、光熱費、結露、虫、室内の空気感、数年後の壁の状態など、実際に住んでみないと分からないことを、このブログで記録していくつもりです。

WB工法が気になっている方にとって、この記事が「こういう疑問を実際に聞いてみたんだ」と参考になればうれしいです。

そして、工法を選ぶときは、メリットだけではなく、気になっているデメリットや疑問も含めて、施工会社に直接確認してみることをおすすめします。

我が家の家づくりは、まだ始まったばかり。

これから実際に住んでみて、WB工法の家がどうだったのかも、このブログで正直に記録していきます。

最後まで読んでいただきありがとうございました。あなたの家づくりが、後悔の少ない楽しいものになりますように。

「通気断熱WB工法」についての記事はこちら↓

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