「自分が住む家にはこだわりたい。でも、貸す家にそこまでお金をかけるべき?」
賃貸をやっている方なら、一度は考えることだと思います。我が家も同じでした。
夫は親から引き継いだ土地で賃貸をしていて、使っていない土地もあります。自宅をWB工法で建てると決めてから、夫婦でずっと気になっていたのが、この疑問です。
「WB工法って、賃貸の建物にも使えるんだろうか?」
工務店の完成見学会に、WB工法の開発元の寺島社長と広報の方が来られていたので、大家としての質問もそのままぶつけてみました。この記事は、そのときに聞いた話のまとめです。
※見学会で伺った内容を、建築の専門家ではない施主の目線でまとめています。賃貸経営の成果を保証するものではありません。金額は、その場で聞いた概算です。
WB工法の開発元の寺島社長と広報の方に聞いた話の記事はこちらです↓
① アパートやマンションは難しい。その理由は「壁」
最初に聞いたのは、

アパートのような集合住宅でも建てられるんですか
社長さんの答えは、

できないことはないけれど、ハードルは高い
でした。
集合住宅は、火事や音が隣に伝わらないように、部屋と部屋の間を壁でしっかり区切る必要があります。WB工法は壁の中に空気を通す仕組みなので、この「区切る」と「通す」を両立させるのがとても難しいのだそうです。
「隣の部屋の匂いが、うちに回ってきたりしませんか?」とも聞きました。部屋ごとにきちんと区切れば、そういうことはないとのこと。ただ、費用の面でも構造の面でも簡単ではない、という説明でした。
集合住宅で使うなら、「それ自体を物件の売りにするくらいのつもりで建てるなら面白い」というのが社長さんの見方でした。
② 戸建て賃貸なら、自宅と同じように建てられる
では、戸建ての賃貸ならどうか。
こちらは「できます。間違いないです」と、はっきりした答えでした。自宅を建てるのと同じ考え方で建てられるそうです。実際に、賃貸用にWB工法で建てている会員の工務店もあるとのことでした。
我が家のように「土地はある。アパートを1棟建てるか、戸建てを何軒か建てるか」で迷っている場合には、戸建て賃貸という選択肢と組み合わせやすい、ということになります。

こちらはイメージ図です。ガレージ付きの戸建てを建てたいと考えていて、WB工法を取り入れるかはかなり悩みます。
③ 大家にとっての3つの利点
社長さんが挙げていた、貸す側から見た利点は3つありました。
利点① 手入れがほとんどいらない
WB工法の通気口は、気温に合わせて部材がひとりでに開いたり閉じたりします。入居者さんに操作をお願いする必要も、大家が定期的に調整する必要もありません。
賃貸では、「入居者さんが正しく使ってくれるか」に頼る設備は、どうしても不安が残ります。使い方に左右されにくいのは、貸す側としては大きな安心です。
利点② 建物が傷みにくく、長く貸せる
大家として一番響いたのが、ここでした。

30年も貸せば、いろんな人が住みますから、意外と早く傷むんです。“ぼちぼち建て替えだな”という建物になるのか、“いつまでたってもピンシャンしていて、いい建物だったな”と思えるのか。その違いです
建て替えを考え始めるきっかけで一番多いのは、「カビっぽい匂い」なのだそうです。

カビの匂いが強くなってくると、皆さんそれを“古さ”に置き換えて、そろそろ建て替え時だと言い始めます。それがなければ、まだまだいけるな、となります
古い物件の、玄関を開けた瞬間のあの匂い。あれが「古さ」の正体だと言われて、大家としてはとても納得がいきました。
我が家も築古の物件を管理しているので、建て替えも考える必要があります。WB工法で建てていない物件の退去後のクロス裏の状態を確かめてみようと思いました。
利点③ ペット可にしても、次の入居者さんに貸しやすい
ペット可の物件は、入居は決まりやすい反面、退去後の匂いが悩みの種です。
社長さんによると、WB工法の家は匂いが壁を通して抜けていくので、ペットを飼っていた方のあとに、飼っていない方へ貸しても、入った瞬間に嫌な顔をされることはないだろう、とのことでした。

実際に、ペットを飼われていた入居者さんの退去後に入ってみましたが臭いは気になりませんでした!
ペット可の物件は差別化になると考えていて、この話を聞いてしっかりと清掃した上で次の方も臭いを気にせず入居できることはメリットだなと思いました。
④ 気になる費用の差と、その考え方
「普通に建てるのと、どのくらい違うんですか?」も聞きました。
社長さんは、たとえ話としてこう説明してくれました。
- 断熱材の種類が変わる分と、WB工法の部材が付く分が、上乗せになる
- 仮に、40坪の家で200万円くらいの差が出たとする
- 4,000万円の家を、30年ごとに2回建てれば8,000万円
- 4,200万円で60年もつなら、長い目で見ればずっと安い
さらに、今は断熱の基準が上がって、どの工法でも断熱材にお金がかかるようになっているそうです。機械で家じゅうの空気を管理する設備を入れる場合と比べると、差はもっと縮まる、という話もありました。
ただし、大家としては冷静に考えたいところでもあります。 社長さん自身も、こう話していました。

家賃をいただいて収入を作っていくのに、そこまで費用をかけるのか。オーナーさんは、どうしてもそこを考えますよね。
上乗せした分を家賃に反映できるのか。何年で元が取れるのか。そこは建てる場所や家賃の相場で変わるので、我が家もまだ答えを出せていません。
※金額はこの日の例え話です。実際の金額は工務店に確認をお願いします。
⑤ 話を聞いて、大家として感じたこと
賃貸の建物は、つい「建てるときの安さ」と「利回り」で考えがちです。でも、30年貸すなら、30年後にその建物がどうなっているかまで含めて計算するべきなんですよね。
「建てた瞬間の利回り」ではなく、「貸し終わるまでの合計」で考える。今回の話で、その視点をもらいました。
我が家の空いている土地をどうするかは、まず自宅に住んでみて、夏・冬・梅雨の住み心地を確かめてから決めるつもりです。その結果も、このブログで記録に残そうと思っています。
まとめ
- アパートやマンションは、部屋を区切る壁との両立が難しく、ハードルが高い
- 戸建て賃貸なら、自宅と同じようにWB工法で建てられる
- 大家にとっての利点は「手入れがほぼ不要」「建物が傷みにくい」「匂いが残りにくい」の3つ
- 費用の差は、建て替えまでの年数を含めて考える、というのが社長さんの説明
- 上乗せ分を家賃で回収できるかは、場所と相場しだい。我が家は自宅で確かめてから判断する
我が家が「通気断熱WB工法」を選んだ理由の記事はこちらです↓




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